任侠道

世間一般に任侠道という精神世界への造詣が皆無と成った現在、巷では暴力と仁侠とを同一視する傾向が強く、本来の任侠道は正しく認識されていない事は誠に遺憾である。 近頃では任侠界の人達を暴力団と位置付け、その周辺者も含め大きく差別し、抹殺してしまおうという政府の方針を見る。 「ヤクザは悪い…」「その周辺者もみんな悪い…」 そんな理論は横暴すぎる。第一危険なのだ。 差別が当たり前であるかの様に国民の意志が移行しているという事は、相俟って平等の人権はその理由を挙げたなら正当化されるという事であり、戦前の偏った思想に暴走してしまうという結果を想像出来るのだ。 この頃の安倍首相の発言を見るに、国家主義に移行しつつあり、国民の平等の権利が脅かされつつある現実を鑑みると、憂国がファシズムに暴走し始めている事に気付かなくてはならない。 憂国を見渡せば凶悪犯罪が頻発し、人心は底なしに荒廃しているといえる。近所の老人が衰退死しても誰も気づかない。近所に住みながらも挨拶すら交わさない。個々に自分以外の処では何が起こっているかも知らない。関係ない。そんな感覚が当たり前と成りつつある時代なのだ。 人間味の感じられない情の無い国の在り方に不安を覚え、未来への憂国を切実に思う時、これまでの歩みに思いを馳せ、日本人の大切にするべき伝統にヒントを得るべき時といえるのである。